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家庭用太陽光発電システムとは? メリットや寿命について解説

地球環境について考えたり、以前に比べ電気代が上がったことがきっかけで、太陽光発電に改めて注目している方も多いのではないでしょうか。家庭用の太陽光発電システムの導入を検討している方のために、発電の仕組みや、機器の設置方法と寿命、必要な費用といった、基本&お役立ち情報をわかりやすくご紹介します。

最終更新日:2024.2.29

目 次

家庭用太陽光発電システムとは?

太陽光発電システムの構成例

太陽光発電システムの構成例

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太陽光発電システムは、太陽電池モジュールをはじめとする、太陽の光から電気を生み出すための装置全体のことです。
半導体を内蔵したパネルで太陽の光を電力に変え、複数の機器を介して、住宅内のコンセントに送電します。

下の表は、太陽光発電を構成する機器とその役割をまとめたものです。

太陽光発電を構成する機器とその役割

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家庭用太陽光発電システムの構成機器によって、太陽の光が電気に変わり(発電)、実際に住宅内で使えるようになるまでの流れを簡単に説明します。

  1. 太陽電池モジュール(住宅の屋根などに設置されている黒色や青色のパネル。以下、ソーラーパネル)に太陽の光があたると、内部の半導体が太陽の光エネルギーに反応して電気が生成される。
  2. ソーラーパネルで生まれた電気は配線を通じて接続ユニットに集められ、その後パワーコンディショナに送られる。電圧や電流が一方通行の「直流」だった電気は、パワーコンディショナによって、家庭で使用できる「交流」に変換される。
  3. 交流となった電気を分電盤が家庭内の各コンセントなどへ分配することで、太陽光発電システムで生み出された電気が実際に使用できるようになる。


なお、蓄電池は、家庭用の太陽光発電システム構築に必ずしも必要ではありませんが、あわせて設置しておくと、日照時間が乏しい日や夜間にも蓄えておいた電気を使用できるため、電力会社からの買電量を減らすことができます。また、夜間の停電時などでも蓄電池の電気を使用することができるので安心です。

また、発電モニタがあれば、発電量や家庭内での電気の使用状況をリアルタイムで確認できるため、家庭用太陽光発電システムを効率的に運用していくことが可能です。

家庭用太陽光発電システムの設置方法は?

ソーラーパネルを設置する作業員

PIXTA

家庭用の太陽光発電システムは、設置したい場所や設置方法、求める機能などによって、いくつかの種類があり、設置方法としては「屋根置き型」と「屋根建材型」に大別されます。

屋根置き型の設置方法

ソーラーパネルのある家

PIXTA

屋根置き型とは、屋根に架台を設置し、その上に太陽電池モジュール(ソーラーパネル)を設置する方法です。
屋根の形状によってさらに種類があり、傾斜のある屋根に設置する「勾配屋根型」、水平な屋根に傾斜のある架台を設置する「陸屋根型」があります。

屋根置き型は一般的なソーラーパネルを使用するので、屋根建材型よりも初期費用が抑えられる傾向があります。

また、屋根との間に隙間があるため、ソーラーパネルに熱がこもりにくいのも利点です。ソーラーパネル本体が過度に熱を持ってしまうと、発電ロスが発生してしまう可能性があるためです。さらに、屋根建材型と比較するとメンテナンスのしやすさや、課税対象とならない点など、メリットが多いといえます。

ただし、屋根と別体式になるため、外観などデザイン性では劣ってしまいます。また、架台の設置工事の方法によっては、屋根の損傷・雨漏りなどが起きるリスクもあります。

屋根建材型の設置方法

ソーラーパネルの家

PIXTA

屋根建材型は、ソーラーパネルに屋根の役割も持たせる設置方法です。
こちらも2タイプあり、屋根材をベースにソーラーパネルを組み込む「屋根一体型」と、ソーラーパネル自体が屋根となる「屋根材型」に分かれます。

屋根建材型の大きなメリットは、屋根との一体感がありデザイン性に優れていることです。屋根置き型に必須の架台も不要なので、屋根への負担が軽減され、太陽光発電システムを設置したことで雨漏りが起きるといった心配がありません。新築の場合など、屋根の工事=ソーラーパネルの設置工事でもあるため、工期短縮にもつながります。

ただし、屋根に必要な耐久性や防火・耐火機能を備えたパネルを使用しなければいけないので費用は高額になります。また、発電効率が屋根置き型に比べて低い傾向があることや、故障などが起きた際の修理が大掛かりになるといった、初期費用以外のコスト面にも注意が必要です。

とはいえ、見た目の美しさもあって屋根建材型の人気は高く、さまざまなメーカーが開発・販売しているので選択肢は多いといえます。

ソーラーパネルの寿命は?

砂時計

PIXTA

ソーラーパネルは、一般的に長期間使用が可能で、寿命は約25~30年とされています。可動部が多くないことや、精密な電子部品が使用されていないことなどがその理由です。国内に太陽光発電システムが導入されはじめた1980年代から現在まで、現役で稼働しているソーラーパネルもあるほどです。

災害などで物理的に損壊してしまうといったことがなければ、ソーラーパネル内部の半導体は半永久的に稼働し、設置から年月がたっても太陽光発電システムの発電効率はさほど変わらないのも特長です。

ただし、架台やフレーム、配線などは経年劣化していくため、数年に一度は点検を受けてメンテナンスしていきましょう。

また、パワーコンディショナの寿命は10〜15年といわれており、ソーラーパネルの寿命よりかなり短いので注意が必要です。発電した電気を家庭で使用できるようにする重要な機器なので、定期点検で状態をしっかり確認していく必要があります。

太陽光発電を設置するメリット・デメリット

 スマートホーム

PIXTA

太陽光発電を設置するメリットとは?

太陽光発電システムを家庭用として設置する大きなメリットとして、環境に優しいエネルギーを自家発電できることが挙げられます。

家庭で使用する電気のすべてをまかなえなくとも、電力会社に支払う電気代を抑えられることもメリットの一つでしょう。

また、台風や地震など自然災害によって停電したときも、日中であれば自立運転に切り替えることで電気が使用できるので安心です。

発電したものの使いきれずに余った電気は、電力会社へ買い取ってもらうことで収入を得ることもできます。FIT制度(固定価格買取制度)の買取価格は下落傾向ですが、長い目でみると家計の助けになるでしょう。

太陽光発電を設置するデメリットとは?

デメリットとしては、初期費用が高額であることや、太陽光を利用するという特性上、安定した発電が難しいことなどが挙げられます。

しかし、クリーンエネルギーの導入を支援する地方自治体が設定している補助金などを利用すれば経済的な負担を軽減できますし、不安定な発電量をカバーするためには蓄電池を併用するといった方法もあります。

太陽光発電システム導入の費用

「SOLAR」と書かれたブロックとコイン

PIXTA

太陽光発電システムを導入するのに必要な費用は、設置するソーラーパネルの枚数やメーカーによって異なります。太陽光発電システムの導入費用は、パネルなどの設備購入にかかる費用や工事費用などを合わせて1kWあたり20万~40万円程度が相場です。

一般的な家庭の平均年間電力消費量は約4,716kWhといわれているので、1kWの容量での年間発電量を1,000kWhと想定すると4~5kWの設置が望ましいということになります。(※) つまり、ソーラーパネルの設置費用は80万~200万円程度見込んでおく必要があります。

また、蓄電池を併用する場合は、容量5~7kWhの蓄電池を利用するとして100万~175万円程度が別途必要となります。

※.一般社団法人太陽光発電協会 表示ガイドライン(2023 年度), 2024年2月6日閲読.

おわりに

家庭用の太陽光発電システムについて解説しました。
初期費用の高さはネックではあるものの、環境に優しいエネルギーを自家発電できる喜びや、蓄電池を併用すれば災害時などの備えにもなり安心感が得られること、売電で収入を得られる可能性などから、導入を検討する方が増えています。
国や自治体の補助金などを利用して負担を軽減することもできるので、施工会社をしっかりリサーチして、クリーンエネルギーを手に入れましょう!

参考:経済産業省 資源エネルギー庁「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題」
参考:パナソニック株式会社「よくあるご質問:【太陽光パワコン】パワーコンディショナの寿命はどのくらいですか。」
参考:経済産業省:調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
参考:一般社団法人太陽光発電協会 表示ガイドライン(2023年度)
参考:経済産業省「定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ」

  • この記事監修

    東京ガス 太陽光発電サービス担当

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公開日:2024.2.28

最終更新日:2024.2.29

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